【読書録】お金原論 30代までに知っておきたい「お金の知性」の高め方
金融の歴史を調べてるうちに見つけてAmazonで高評価だったので購入。
・お金は信用を見える化したものである。
・現代において、お金は数字の移動に過ぎない。
…うん、勉強したことある人間なら分かる内容です。
・人間としての信用も大事
…まぁ、そうでしょうね。
・ブータンに見る「幸せの定義」p.97
構成要素は1)心理的幸福 2)健康 3)教育 4)文化 5)環境 6)コミュニティ 7)良い統治 8)生活水準 9)自分の時間の使い方
「お金と直接的に連動するものといえば、8の生活水準ぐらいだろうか」「お金がないのに幸せな人がいるのは、たとえ生活水準は低くても、それ以外の豊かさがあるからなのだ。」「お金があることと、不幸せであることとの因果関係を作り出しているのは、紛れもなくその人自身だ。お金に罪はない」
…ずいぶんと誘導的ですね
・自給自足と経済社会 p.268
自給自足は、都会の喧騒に疲れた人にとっては魅力的に映るかもしれないが、社会に対する価値を生み出さず、それでいて公共サービスの恩恵だけを受けている、ある面自己中心的な生き方である。
…「お金を稼ごうとしないやつは自己中心的である」ですか。どこかの自己投資セミナーの講師が同じこと言ってた気がします。
読んでいて唯一面白い、と思った節がこちら:
・お金の教養にはStageがある
STAGE1 生活不安定型 借金をしないと生活が回らない
STAGE2 環境依存型 収入は安定しているが将来に対して漠然とした不安がある。日本人の殆どがここ。
STAGE3 将来に対して不安はあるが、将来のリスクをコントロールしようとする姿勢が見られる。
STAGE4 自己完成型 仕事による収入超える収入源を確保できる可能性を見出している層
STAGE5 長期安定型 お金の教養ステージの最終ゴール 労働収入がなくても他の収入で支出がまかなえており、お金を意識的に増やそうとする必要がない層
「金持ち父さん貧乏父さん」で経済的自由と言われるのがSTAGE5だと思います。お金に関心を持ってこのような本を読むのがSTAGE2-3の人なのでしょう。それに対してSTAGE4は非常に曖昧です。お金に対する意識はできているが、経済的自由は得られてない状態。非常に不鮮明でなんでこのSTAGEを状態として設けたのか謎です。
それと、金に困ってるハズのSTAGE1から社会貢献の度合いが選択肢として出て来ます。
Webでお金を稼がなくても暮らしていける様になった人たちが、突然生きる意味がわからなくなって、後進の育成とか社会貢献とかに目覚める話は検索すればゴロゴロ出てきます。ある意味、STAGEの低い頃から社会貢献に目を向けさせる姿勢は、イイコト…なのでしょうか?
結論:
…セミナーの勧誘商材ですね。
自己啓発本として、誘導的に「お金に対する悪い意識を捨てて、お金を稼ぎましょう。それが世の為人の為にもなるのです。幸せかどうかはお金の話ではない」
意識高い系のセミナーでよくある文言です。
自分のモチベーションを高めたい方はどうぞ