読書録 橘玲の「中国私論」

橘玲さんの著作3連投。

巻頭にある鬼城(ゴーストタウン)観光というフルカラーページが面白そうで手に取ってみましたが、内容はもっと中国の文化社会学とでも言うべき内容でした。

全体的に「中国人を理解しよう」というテイストで書かれており、最近多い中国崩壊論とは一線を画します。人が多すぎる・国が広すぎることが社会に与える影響とそこから各個人に与える行動への影響を通じて社会・文化がどのように形成されるのかということを丁寧に書いてあります。

著者自身が書いてある通り、中国の専門家ではなく一旅行者であり、この書は旅行記であるとしている。前書きを読んで旅行した事を中心に据えた見聞録的なものを期待していた。

実際は、中国の専門家の書を広く読み論を構成している。やや論が飛んでいるのでは、というところも無くはないが、学者の研究書ではないので自分が納得するところだけ拾えば良いのでしょう。

アメリカは何度もバブルが弾けてもアメリカは崩壊しなかったし、今でも世界の強国です。(唯一の超大国ではなくなりましたが)中国は崩壊論が多々ニュースになり(その方が大衆受けするからの様です)、その方向になると思っている方も多いかもしれません。そうはいっても、総体としての経済力は日中の差は開く一方と思っています。

崩壊を期待するのではなく、その流れに乗って何かで稼ぐことはできないか、と考えたほうが良いのではないかな、と思っています。

新潮文庫から文庫化されたそうなので、そちらへのリンクを貼っておきます。

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