読書録 「無税」入門
私がよく読んでいる橘玲さんの本に「この人から、私の方法は無益だと紹介されている」とあったので興味が湧き、読んでみました。
副業を開業届をだして事業収入にし、赤字を出しましょう、そうすれば所得税と住民税(所得割)が無税にできます、という内容です。
気をつけるべき点は「35年で900万の節税をした」と書いてある点です。つまり年額25万の節約。
FPや社会保険労務士あたりから見るとだいたい年収が想像ついてしまいます(^^;
金融庁の資料を参照すると、配偶者と15歳以下の子供二人で年収400万だと課税所得が140万で22万とあります。ここから100万以上の赤字を事業から毎年だせば、無税にできるという計算のように見えます。
ところが、です。事業所得と認められるためには継続的に収入を得てそれで生計を立てている必要があるので、税務署が調査に来たときに「これでどうやって奥さんと子供を養っているの?」という話になろうかと思います。
「いえ、奥さんが支えてくれているので…」とかいう返答をすれば奥さんを扶養に入れられる年収103万のパートで済んでいられるのか?
何より、青色申告を申請したのに記帳も決算書も作っていないと明記されていますのでグレーどころか黒の部類です、これ(^^;
年収が4-500万の中小企業にお勤めの方だったから税務署が「忙しいのに指摘して年20万納税されるだけじゃ割に合わない」と思って見逃されてたんではないかな、という気がします。
これからマイナンバーで把握される様になるので事業用口座に定期的に入金が無いと否認される気もします。
年収が1000万を超えていたり大企業にお勤めの方はこの本の通り真似しない方がいいと思いますよ。何より、副業規定に引っかかっていないかどうかを調べましょう。
所得税で通算できるのは以下の4つです
- 不動産所得
- 事業所得
- 山林所得
- 譲渡所得
この中で、会社に何も言われにくいのが不動産所得、っていうのがオチなんですけどね。
節税を目指すのは良いですけれども、よく調べた上であくまでも自己責任で、ということなんでしょう。