読書録 貧乏はお金持ち

副題は「雇われない生き方」で格差社会を逆転する。自分がよく読んでいる橘玲さんの書籍。

この本の主張の中心は「サラリーマンはハイリスク・ローリターンである」ということ。そのためにマイクロ法人を作って独立しましょう、というのが筆者の主張だ。

  • 法人化のメリット

確かに法人になれば色々有利なことが有る。自分で経費を計上できる、ファイナンスも楽だ。国の新規起業援助施策も有るし(政策金融公庫で低利の融資をしてくれるのを知ったのは最近のことだ)、節税もできる。

であるなら、法人・もしくは個人事業主になって会社から業務委託を受ければ手元に残る金額はぐっと増える。…が、実際に社長がそれを勧めた会社があったそうだが、誰一人応じなかったと言う。

そりゃそーだ。
私はIT稼業なので独立している知人は何人か居る。その中からこんな話を紹介したい。ITバブルのころ、社内のコンサルタントが独立した。当時有った社内コンサルタント資格のうち最上位の資格を持っていたと思う。当時はERPが大ブームで億単位の受注が有った。そのうちの数%コンサルティングフィーとして貰うころができれば、大儲けできるでしょう。

数年経ってERPブームが去るとその方の話も聞かなくなった。Revenue(収入)が無いんだよってぼやいていたというお話を人づてで聞きました。会社勤めをしているとそう簡単には解雇できないから、違う仕事を振ることになる。個人単位でのネットワークづくりや専門スキルを身に着けさせていかないのが日本的雇用なので、若いときにガンと稼ぐことはなくても歳を取って若者に勝てなくなっても自然と給料が上がっている。(出世していなくても)これは、「組織に入ることに寄ってRevenueが0になるリスクをヘッジする仕組みだ。つまり「保険」なのだ。保険が「ローリターン」なのは、仕組み上当たり前とも言える。

アベノミクスの働き方改革の影響もあり、同じ会社でずっと勤め上げれば定年後も安心、などという世界は過去のものになりつつある。何歳になったら年金が払われるのかもわからないし、今の支給水準のままだということも無いだろう。
著者も言っている。自由は勝ち取るものではなく、望んでも居ない外の世界へ連れ去られる事によってもたらされる。

備えておかないと、ですね。

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