ANAソラチカカードゴールド誕生!一般カードとの違い
2020年3月、ソラチカカードにゴールドカードが誕生しました。ソラチカカードに比べてゴールドカードはどうなのか、比較してみました。
目次
ソラチカカードとは
東京メトロ(To-Me-Card)とANA・JCBとの提携で生まれたクレジットカード。正式名称はANA To Me CARD PASMO JCBですが公式から「愛称:ソラチカカード」という名前で出ていました。
他のANAカードと比べた特徴は
- PASMO一体型で、PASMOオートチャージでマイルが貯まる
- 東京メトロ及び特約店の利用で貯まるメトロポイントPlusが0.9倍という高倍率でマイルに変換できる(!!)
2点目が特に大盤振る舞いです。非提携のクレジットカードポイントは0.25〜0.3倍、共通ポイント(T/楽天ポイント)は 0.5倍というのが相場なのです。インターネット上のポイントサイトはもっと低倍率です。
これに、Lineポイントを経由してポイントサイトポイントが0.81倍でマイル変換できたものですから、アフィリエイトサイトが群がったのですね。「陸マイラーにとって必携」「ポイントを交換するだけで使う必要はない」とか宣伝したものですから、ポイント交換ユーザーが殺到したようです。
でもそれって、本来To Me Cardが会員を増やしてメインカードにしてもらうための誘客施策なのです。ANAからマイルを買って付与しているわけで、コストを掛けて(要は持ち出し)でやってることなんですね。
早晩終了するだろうなと思っていたのですが、とうとう2019年12月にLineポイントからの交換が終了してしまいました。
ソラチカカードの現在のメリット
ポイントサイトからの交換が終了したら、凡庸なカードなのかというとそうではありません。ANAマイルを貯めるためのメインカードとしてむしろ利用価値は高まっています。
なぜなら事前登録型リボ払い(スマリボ)が始まり、100%ボーナスマイルが付く様になったからです。JCBのボーナスマイルは通常1000円→1ポイント(5円)→3マイルですが、ソラチカカードの場合は一旦メトロポイントに変えることによって1ポイント→5メトロポイント→4.5ANAマイルに変えることが出来ます。
また、前年度100万以上利用することでさらに20%のボーナスマイルが付きます。つまり通常ポイントと併せて100円→1.54マイルにすることが出来るのです。
これは年会費が155000円かかるANAダイナース プレミアム(100円→1.5マイル)と同等以上の還元率です。ANAカードの比較を下記にまとめてますので参考にしてください。
リボ払い手数料(利子)が発生してしまう(発生しないとボーナスポイント貰えない)のが痛いです。
事前登録型リボ払いと聞いて三井住友カード ANA VISA/マスターカードのマイ・ペイすリボを思い浮かべる方も多いと思うのですが、JCBのスマリボは全く違います。翌月10日に全額払うってWebで登録しても締日(15日)の翌日16日から利子が発生するという鬼畜仕様。しかも年率15%。
でも、安心してください。減らす手段はあります。
簡単に言うとATMに通えば良いのです。具体的には別記事にまとめてますので、下記をご覧ください。
ソラチカゴールドの誕生
2020年3月、ソラチカカードにゴールドが誕生しました。誕生記念ということで2021年3月までキャンペーンを行っています。最大32300マイルプレゼントという大盤振る舞い😃
これだけでも入る価値はありそうなのですが、一般のソラチカカードと比べて持つ意義はあるのか、どちらが良いのか「マイルを貯める」という観点で比較してみました。
比較1)年会費
一般のソラチカカードは年会費2,200円(消費税10%込、税抜2000円)とそこまで高くないのですが、ゴールドは15400円(消費税10%込、税抜14,000円)します。
- スマリボを使う気があるのであれば、年会費キャッシュバックがあります。その場合ゴールドのキャッシュバックは5000円と高額です。
- 一般のソラチカカードは5,500円(消費税10%込、税抜5000円)のマイル移行手数料がかかります。マイル移行手数料を避けると1000円→5マイルとマイル換算率が半減します。
- 一般カードのポイント期限は2年なので2年に一回くらいはマイル移行手数料が必要です。一方ゴールドカードは移行手数料不要で1000円→10マイルです。
- 継続マイルボーナスにも違いがあります。マイルを特典航空券に変えた場合、国内2円/マイル、国際)ビジネス6円/マイル、国際)ファースト)8円/マイルくらいの価値があります。
1マイル=2円としても、継続マイル差額1000マイル=2000円程度の差額があります。
これらを合算した結果が以下になります。
実質的な負担差額は4800円ほどに縮まります。
ソラチカカード | ソラチカゴールド | |
年会費(消費税10%込) | 2200 | 15000 |
リボ利用によるキャッシュバック | 1350 | 5000 |
割引後年会費 | 850 | 10400 |
ポイント有効期限 | 2年間 | 3年間 |
マイル移行手数料(消費税10%込) | 5500 | 0 |
年間支払額 | 3600 | 10400 |
会員継続マイル | 1,000 | 2,000 |
1マイル=2円換算の実質負担額 | 1600 | 6400 |
比較2)ボーナスポイント
JCBには前年度に使った額に応じてボーナスポイントが付く制度があります。非プロパーカードの場合、300万以上使うと5%の違いが出てきます。
前年度カード利用額 | 一般カード | ソラチカゴールド |
300万〜 | 20% | 25% |
100〜300万 | 20% | 20% |
50〜100万 | 10% | 10% |
〜50万 | 0% | 0% |
年に使用額が毎年300万だとすると、下記が差分として発生します。
300万円×(1ポイント/1000円)×5%=150ポイント→675ANAマイル
国内線/国際線エコノミーで使う場合:2円/1マイル相当:675マイル→1350円相当
国際線(ビジネス以上)で使う場合:5円/1マイル相当:675→3375円相当
国際線ビジネスで5円/1マイルというのはあくまで費用採算を考える時の目安です。競合他社と座席提供数が少なくて強気の値段を出している路線であればもっと高単価になりますが、下限として「これくらいになる」というものです。
年に300万以上継続的にカード決済する方で、国際線上級クラスが目標の方は充分ペイします。
比較3)メトロポイントPlus
メトロポイントPlusは東京メトロのクレジット)To Me Cardカード向けポイントです。下記の利用でポイントが貯まります。
- 東京メトロを使うことによる乗車ポイント
- 定期を購入することによるポイント
- 加盟店(主に駅ナカ)・駅ナカ自販機をPASMOで使うことによる購入ポイント
メトロポイントPlus | ソラチカ一般 | ソラチカゴールド |
乗車ポイント(平日) | 5 | 20 |
乗車ポイント(休日) | 15 | 40 |
定期購入(クレジット) | 1000円=5ポイント | 1000円=5ポイント |
店舗 | 200円=1ポイント | 200円=2ポイント |
自動販売機 | 100円=1ポイント | 100円=2ポイント |
このうち、2の定期購入は一般・ゴールドで違いはありません。
3のメトロポイントPlus加盟店は公式サイトによると下記になっています。
メトロポイントPlus加盟店:
- 【店舗】売店(METRO’S)、Echika、Echika fit、Metro pia及びEsola等メトロポイントPlusロゴ掲出先
- 【自動販売機】自動販売機及びコインロッカー等メトロポイントPlusロゴ掲出先
メトロポイントPlusのロゴは下記のようなイメージです。
元々東京メトロは公共団体(営団)だったので、都市開発は制限されていました。今は国と都の100%保有株式会社ですが、経営幹部は早く民営化してJRみたいなフリーハンドを得たいという希望を持っているそうです。
そういう状況ですので、メトロポイントPlusは東京メトロの駅ナカ・駅チカが多く、日常的に使う方はそう多くないと思います。
とすると、差がでるのは乗車ポイントです。
平日で15ポイントの差があります。国内線特典航空券2円/1マイルの想定で計算してみましょう。
一回の平日乗車でのポイント差額:15ポイント×0.9マイル/ポイント×2円/マイル=27円相当
年負担差額4800円÷27円=177.7…
年間90日位東京メトロで往復するようであれば充分ペイします。定常的に東京メトロを利用される方であれば難しい回数ではないはずです。
注意点がいくつか
- 東京メトロの乗車であって、PASMO乗車ではない。他の私鉄・JR利用ではポイントが付きません。
- 本人名義であっても複数カード合算できません。
- オートチャージでないとPASMOチャージでのクレジットポイントは付きません。PASMO/Suica圏でしかオートチャージはできません。
全国相互利用エリアではオートチャージできません。 - モバイルPASMOではオートチャージでクレジットポイントがつきません。
- モバイルPASMO定期券ではメトロポイントは貯まりません。クレジットポイントのみ貯まります。
首都圏で東京メトロをガンガン使う人に使ってもらいたい、という提供者側の思いが見えてくる設計になっていますね。
JCBのゴールドカードとして
JCBのみ発行できるゴールドカードなので、もちろんゴールドカードとしてのサービスは一通り提供されます。
主な所は
- 旅行保険の上限アップ(ソラチカ一般死亡のみ1000万→1億)
- 航空機損害保険の追加
- ショッピングガード保険の自動付帯
- 空港ラウンジの利用
- 各種グルメ・宿泊などの優待(割引・ポイント付与)
ただ、もっと安価にゴールドカードを持つ方法はありますし、旅行保険だけであればEPOSなどネット上で有名なカードもあります。
JCBプロパーカード(独自発行)ではないので、使い続けても上位カードへのインビテーションは得られません。
あくまでANAマイルをどんどん貯めたい向けのカードです。カードが増えると管理は煩雑になっていきますので、これ一枚でマイル用メインにも、ゴールドサービスも!と考えると充分オトクなカードです。
比較まとめ
- そもそもソラチカカード自体がANAマイルを貯めるためのカードとしてはハイコストパフォーマンス!
- 年間300万以上をコンスタントに決済する方であれば持つ価値あり
- 東京メトロを日常的に使う方であれば、それだけでも価値の高い一枚
- ANAを高効率で貯めつつゴールドを保持できるので、その他でゴールドカードを持っていた方は解約できるほど有能
ポイント交換が終わったことで東京メトロを使っている方のメインカードにしてほしい、という東京メトロ側の思いが伝わってくるカードになりました。
この内容であればそうそう改悪はされないはずです。安心して持てる一枚に仕上がっています。